屍都市
血塗れになり、多くのゾンビ達に群がられながらも戦い続ける心花。

「ぶ…部隊長…!」

その光景を見ていた若い自衛隊員の一人が言う。

「我々も援護しましょう!このままでは彼女が!」

しかし。

「ならん」

部隊長はその一言で片付ける。

「一般市民の…年端もいかない女が命懸けで戦っているんですよ!なのに我々自衛隊が何もしないなんて!」

「ならんと言っているのだ!」

部隊長の口元から血が流れた。

唇が切れている。

それほどまでに歯噛みしているのだ。

「俺だって彼女を助けたい気持ちは同じだ…!」

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