屍都市
工事現場に来るまでに走って体力を使い、ゾンビとの乱闘で更に疲労して。

純はもうヘトヘトだ。

思うように走る速度が上がらない。

それでも力を振り絞って足を前に進める。

走りながら、携帯で自宅に電話してみる。

相変わらず雄大は出ない。

どうしちゃったの雄大?

眠ってるんだよね?

待ちくたびれて、寝ちゃってるだけよね?

不安な気持ちを何とか誤魔化そうと言い繕う。

そうだ。

きっと自宅に帰れば寝ぼけ眼を擦りながら、「ママお仕事どうしたの?」なんて顔を覗かせるに決まってる。

私はそれに苦笑いしながら、「『ママ』じゃないでしょ、『お母さん』」って言いながら軽く頭をコツンとやって…。

そんな事を考えて気を紛らわせながら、ようやく辿り着いたマンションの階段を駆け登り。

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