シルバーリング
―一週間後―
「入って来なさい。」
一週間後の朝。
海原くんが教室へ入ってくる。
入って来た瞬間に教室がざわめいた。
「…い…イケメン!
ちょっと夏華っ!」
前を向きながら、あたしの机をばんばん叩く愛美。
「分かった、分かった!
…かっこいいね!」
あたしは手を掴んで、笑いながら言う。
「…本当に思ってないでしょ。」
愛美はあたしを睨むように見た。
「思ってるよ…!」
愛美の迫力に笑顔が引き攣る。
「…海原彼方です。」