シルバーリング
休み時間になって、女子が海原くんを囲んでいた。
「…すっごいねえ…。」
教室の隅で様子を見ながらあたしが呟いた。
「…まあ…、ああもなるけど。」
クスクスと笑いながら愛美は言った。
「でもさ、普通に受験してるのに、まるで転入生みたいな扱いだったよね。」
「転入生みたいなもんじゃない?
大阪から来たって言ってたし。」
愛美は興味がなさそうにあくびをしながら言った。
教室の扉付近にはイケメンを一目見ようと人が集まっていた。