シルバーリング
ごめん、ごめん、と謝りながら愛美は涙を拭った。
「すっごい女子に囲まれてたもんね!」
「びっくりしたわあ。
おかげで男友達が一人もおらん。」
あたしが言うと、海原くんは頭を抱えながら言った。
「あ、あたしの男友達、紹介しようか?
あっちの席にいるんだけど。」
「おっ!助かるかも!」
愛美の言葉に海原くんは勢いよく顔を上げた。
愛美は廊下側を指差した。
「お似合いだなあ…。」
あたしは2人に聞こえない声で呟いた。