シルバーリング
冬真はあたしの5つ下の弟。
「あーなんか、泊まるんだって。
友達の家に。」
“帰ってきていきなり言って出てったよ。”
と溜め息混じりにお母さんが言った。
「ふーん。
じゃあ、れい泊まってく?」
「え?」
いつもは冬真が何かとうるさくて、れいが泊まることはなかった。
「あ、いいじゃない!
お父さんには私から言っとくし。」
れいの母親とあたしの母親、そしてれいの父親は昔からの仲。
だから、少しでもれいを支えたいと、お母さんが言っていたのを思い出した。
「あ、じゃあお言葉に甘えて。」