シルバーリング



靴を履き替え、教室へ向かう。


同じ中学だった友達はひとりも3組にいなかった。


教室を見渡して、あたしは隣の教室へ向かった。



「こらっ!」


教室の真ん中にどんっと座って携帯をいじるれいの姿があった。


あたしは目の前に立って言った。


「…っ、…びっくりしたあ…。」


「あははっ!」


相当携帯に夢中だったのか、周りが見えていなかったれい。



「死んじゃったじゃんかー。」


ゲームをしていたみたいで、れいはあたしに携帯の画面を見せながら言った。


「ごめん、ごめんっ!

ちょっとふざけてみた!」


あたしは笑いながら言った。



「座ったら?」


れいの前の席の人はまだ来ていなく、あたしは座ることにした。





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