シルバーリング
あたしは思わず吹き出した。
「そんなに慌てなくてもっ!」
あたしが言うと、恥ずかしそうにまた同じ場所に座った。
「目の前で女子が泣いてるとか初めてやし…。
相談みたいなんも…俺慣れてないから。」
真っ直ぐとあたしを見つめる瞳。
あたしは少しドキっとした。
「ううん、充分。
すごい楽になったよ!」
立ち上がってスクールバッグを肩にかけた。
「それは良かった。
…送るわ!」
「え?いいよ!
話聞いてもらったし。」
あたしは顔の前で手を振った。
「暗いから危ないやん!
俺が止めたんやし、送らせろ!」
笑いながら、海原くんは言った。