シルバーリング



「あー…!ごめん!

頼むから…返事教えて?」


顔の前に両手を合わせて頼む姿があたしの目に映る。


あたしは白くなった息をゆっくり吐いて、話始めた。


「はっきり《好き》って思ったことはなかった。

でも…、今、すっごく嬉しかった。

涙が出そうになるくらい…、嬉しかったよ。」



そう言った途端、本当に涙が出てきた。



「…たしも…、」


「……え…?」




「あたしも…!


…――好き。」






< 79 / 85 >

この作品をシェア

pagetop