シルバーリング



――キーンコーン…―


「じゃあね!」



チャイムが鳴り、教室へ向かう。


窓側一番後ろのあたしの席。

前の席の人はまだ来ていないみたいだった。



――ガラッ―


「あっ!まだ先生来てないっ!

良かったあ…!」



巻いた茶色の髪を揺らしながら入って来た一人の女子。


ずんずんとこっちへと歩いてくる。



「おはようっ!」


あたしの前の席に座りながらあたしに向かって言った。





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