オール・アバウトなっちゃん
「対向車なんか、ロクに来んのに90秒も待てるかよ」

と彼は思ってるが、たまに産廃業者のトラックが通るので、それもかなわず…

彼の愛車は不条理な停車時間を過ごさなければならない。

ここから彼の勤務先まで5分あまり…とはいえ

「今日遅刻したら何言われるか…」

そう…彼は時間ギリギリの為焦っているのだ。

そんな彼を嘲笑うかのように小柄な女性が漕ぐ一台のチャリンコが颯爽と抜き去って行った。

「え…って、おい…あの女…この先何があんのか解ってんのか?」

言うまでもなく、この先には圭太の職場と産廃施設しか無い。

そして、そんな場所にチャリンコでノコノコ向かう人は普通存在しない…筈だった。
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