オール・アバウトなっちゃん
「う…何だ?むちゃくちゃ寒い」

突然、圭太が口を開いた。

解らないでもない。

私は櫂を通し水面に氣を送り込んだ。

そして送り込まれた氣は冷気となり辺り一面を覆う。

「永遠の命を欲したキサマだが…一片の肉の欠片も残す事無く散ってもらおう」

水面から上げられた櫂が緩やかに弧を描く…

その動きによって巻き上げられた水の粒子が化け物の肉体を包む

「く…小娘…これは、一体?」

だが化け物は、その先を知る必要は無い。

滅び行くその身には無用の物だから…
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