とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
確かに忍にはかなわない気がする…
「忍も怖いがお前も充分怖い…」
「やだな~右京。
俺は自分で言うのもなんだけど、かなり優秀で忠実な護衛だぜ?」
「…まぁ…否定はしねーよ。
ウリエルもかなり信頼してるみたいだしな。」
そういうと虎太郎はキラキラ目を輝かせて嬉しそうに笑った。
「ところでaxelだけど、どこにあるか知ってるか?」
「わかんねえけど陸に聞けばわかるだろ。
あいつクラブ好きだから。
メールしてみるか…」
しばらくすると返信があり、隣駅らしい事がわかった。
「陸のメールだと、かなり柄の悪い連中が多いみたいだな…」
「優秀な護衛もいるし、問題ないだろ。
…でも忍には言えないな…
虎太郎黙っとけよ?」
俺の言葉に虎太郎は片目を瞑った。
忍のバイト終了時間になり虎太郎と別れると忍をバイクに乗せた。
「今日はあの気色悪いヤツ居なかったんだな。」
「美鈴の事?
彼女最近休みがちなんだ~
お店の人達の話だと、何かのサークルの集まりに参加してるみたい。」
「ふーん…
んじゃ虎太郎いなくても良かったな~
それより、お前よくも俺を騙したな…」
軽く忍の鼻を摘んで微笑むと「騙してないもん」とむくれた。
「私一言も女2人で行くなんて言ってないし~」
とわざとらしくニッと笑った。
「まったく…お前には負けたよ…」
そう言うと軽くキスしてメットを被せた。