とある堕天使のモノガタリ ~INTROITUS~



その日の夜稽古はパスして出掛ける準備をする。

玄関を出ようとした時忍に見つかった。


「出掛けるの?」

「ん。友達に呼び出されたからちょっと言ってくる。

戸締まりして寝てていいから。」


頭の中でウリエルが何か言っていたが無視をしてバイクのエンジンを掛けた。

途中で虎太郎と合流し隣駅に向かった。


駅前に丁度若者を見つけて聞いてみると、axelの場所を教えてくれた。


そのクラブは建物の地下にあり、一見なんの変哲もない扉が入口になっていた。

その向こうは爆音のような派手な音楽と、昼なのか夜なのか分からないような暗闇に多彩な光るライト、そしてひしめき合う若者達の異世界だった。



「こりゃすげー」

「ウリエル風に言うと解せない空間だな…」

「同感!」




奥に進んで行くと女が近寄って来た。



「あら、見ない顔ね~
誰かの知り合い?」

「いや、sevenのヤツを探してるんだ。

どっかにいねーか?」

「いるわよ~

ほら、あのカウンターのとこと…あっちのテーブルのヤツもsevenよ」

「ありがとう!」



虎太郎は軽く女に手を振った。

俺はそれを横目に女が指差したテーブルに向かった。



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