とある堕天使のモノガタリ ~INTROITUS~



そのテーブルには柄の悪そうな男が5人と女が2人談笑していた。


「あんたらsevenなんだって?」


躊躇いもなく話かけると一斉に俺に視線を向けた。


「あぁ、なんか様か?」

「ガクってヤツ知ってるか?」

「ガクになんの様だ?」

「呼んでくれないか?

黒崎が来たと言えばわかるはずだ。」


そう言うと男の目つきが変わった。


「てめーが黒崎か…

ガクがハンパなくつえーって言ってたが…

弱そうじゃねーか…」


その言葉に俺はフッと笑った。


「そういえば…ずいぶん暴れてるらしいじゃん…ここらで。

噂聞いたぜ?」


「ここは“sevenの”縄張りだからな。」


『「…愚かな人間め…」』



俺の異変に気付い虎太郎が慌てて声をかけた。


「!!…どっちだ?右京か…?大丈夫か?」


俺は透明感のある翠の瞳で見返すと虎太郎に小さめの声で言った。


『「問題ない。

虎太郎。周りに害が出ないようにフォローしてくれ」』

「りょーかい!」


その会話が終わると同時に男が俺に歩み寄って来た。


「俺は目で見たものしか認めねー。

どの程度か見せてみろや。」

『「お前が暴れられなくなる程度だ。

大したことない。」』

「テメー!!」


殴りかかって来た相手に回し蹴りが綺麗に決まり、虎太郎の方角に飛んで行った。

周りの野次馬から歓声があがる。

虎太郎は俺の方に男を押し返したが、男はそのままパタリと倒れた。


すぐさま伸びた男の仲間が罵声と共に突っこんで来た。

正面に構え一気に腕を突き出すと顔面を掴み真下に叩きつけた。


< 103 / 405 >

この作品をシェア

pagetop