とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
そのテーブルには柄の悪そうな男が5人と女が2人談笑していた。
「あんたらsevenなんだって?」
躊躇いもなく話かけると一斉に俺に視線を向けた。
「あぁ、なんか様か?」
「ガクってヤツ知ってるか?」
「ガクになんの様だ?」
「呼んでくれないか?
黒崎が来たと言えばわかるはずだ。」
そう言うと男の目つきが変わった。
「てめーが黒崎か…
ガクがハンパなくつえーって言ってたが…
弱そうじゃねーか…」
その言葉に俺はフッと笑った。
「そういえば…ずいぶん暴れてるらしいじゃん…ここらで。
噂聞いたぜ?」
「ここは“sevenの”縄張りだからな。」
『「…愚かな人間め…」』
俺の異変に気付い虎太郎が慌てて声をかけた。
「!!…どっちだ?右京か…?大丈夫か?」
俺は透明感のある翠の瞳で見返すと虎太郎に小さめの声で言った。
『「問題ない。
虎太郎。周りに害が出ないようにフォローしてくれ」』
「りょーかい!」
その会話が終わると同時に男が俺に歩み寄って来た。
「俺は目で見たものしか認めねー。
どの程度か見せてみろや。」
『「お前が暴れられなくなる程度だ。
大したことない。」』
「テメー!!」
殴りかかって来た相手に回し蹴りが綺麗に決まり、虎太郎の方角に飛んで行った。
周りの野次馬から歓声があがる。
虎太郎は俺の方に男を押し返したが、男はそのままパタリと倒れた。
すぐさま伸びた男の仲間が罵声と共に突っこんで来た。
正面に構え一気に腕を突き出すと顔面を掴み真下に叩きつけた。