とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
真相
数日後、ガクからメールが来た。
会って話したいという内容だった。
夜にaxelに行くと返信を打った。
夕方師範は町内会の集まりに出掛けた。
「じじい出掛けたのか?」
「うん、また遅くなるんじゃない?」
テレビを見ていた忍はそう言った。
俺は忍をヒョイと横抱きで持ち上げると自分の膝に座らせた。
「しあわせ~~♪」
軽く抱きしめ忍に甘えてみる。
忍はクスッと笑って俺の頭を撫でた。
「どうしたの?」
「師範いないときしか出来ないからさ」
そっか~と短く答えた忍はまたテレビに視線を戻した。
「…ねぇ、忍?」
「ん~?」
「…テレビ見てないでこっち向けよ…」
「なによ」
面倒くさそうに俺を見るとまたすぐテレビに視線を戻した。
「…」
えい!と忍を腹に乗せたまま寝転んだ。
「もっと見て」
「ちょっ…なんなの!?」
「忍…キスして…」
ちょっと戸惑い気味の忍はそっと俺に触れるだけのキスをした。
「…やり直し!」
「ええぇ!?」
「ほら、早く!」
もう一度顔を近づけて今度は俺の下唇を軽く吸い上げた。
鼻が触れる距離で忍を見つめて「もう一回」と言うと忍は素直に距離を縮めた。
忍の後頭部に左手を回すとだんだん深くなるキス。
「んっ…右京……」
乱れた吐息の合間に聞こえる忍の声に理性が飛びそうになる。
Tシャツの裾から進入した右手が忍の背中を撫でながらブラのホックを外した。
「…今すぐ忍としたい…」
体を反転させて忍の上になるとTシャツとブラを撒く上げ、忍の胸に舌を這わす…
ビクンッと忍の体が波打った…
ゆっくりスカートの下から覗く太ももに手をかけ、指先が下着に触れた時…
ーー~♪~♪~
「「…」」
固まる俺と忍…
「…」
「…右京…携帯鳴ってる」
「…はぁ…ったく!誰だよ!」
携帯画面には“虎太郎”の文字。
乱暴に通話ボタンを押して携帯を耳に当てた。