とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
『あ、右京?オレオレ~』
「んだよ…
今忍といいとこだから2時間後にしてくれ。」
『えっ!?それは悪かったな~
でも2時間は待てない。
せめて10分で済ませてくれる?』
「10分じゃ何も出来ねーよ!…いてっ!」
俺は真っ赤になった忍にど突かれた。
「それより話があったんじゃないのか?」
『そうだ!カルト集団が分かったぞ。
これから行くけど、右京どうする?』
「マジ!?…ちょっと事情説明して忍連れて行くわ!」
『忍さんも?大丈夫か?』
「師範がいないんだ。ひとりに出来ない。」
『確かに危険かもな…
了解!じゃ後でな!』
電話を切ると溜め息を吐いた。
「はぁ…またお預けかぁ…」
ガックリ肩落としてから忍に向き直った。
「実は忍に話しておかなきゃなんない事があるんだ。」
「え?なに?」
「この間の都市伝説の話覚えてるか?
この辺りで起きてる“神隠し”。」
「覚えてるよ」
「ちょっと気になって虎太郎と調べてたんだ。」
俺は要点をまとめて忍に説明した。
「…つまり、右京達が調べてる事がバレる前に悪魔を捕まえないといけないのね?」
「そういう事。」
バレてない保証もないから忍をひとり留守番させるのは危険に思えた。
「これからガクの妹が接触してたカルト集団のとこに行く。」
「大丈夫なの!?」
「虎太郎もいるし大丈夫。」
「気をつけてね?」
「…なに他人事みたいに言ってんだよ。
お前も一緒に連れてくぞ?」
「ええぇ!?」
「当たり前だろ?
ひとりで何かあったらどうするんだよ!
忍は俺の傍に居た方が守ってやれるから」
「…わっ…分かった…
…絶対守ってよ?」
観念した忍は渋々一緒に行く事を同意したのだった。