とある堕天使のモノガタリ ~INTROITUS~


ことごとく捻じ曲げられた真実に驚くとともに、何故そんな噂になったかが気になった。
 

『まったく人間とはおもしろいな』


頭の中に響くウリエルの言葉に同感する。



「ところで右京さん、卒業後どうすんの?やっぱ進学?」

「決めてない。進学してまで勉強したいとも思えないし。」

「じゃあ黒崎さんの道場継ぐの?」

「それもいいけど、じじいまだ元気だしな~」



真也は「確かに」と笑った。


「まぁ、そろそろ決めないとなんだけど色々忙しいんだよ、俺も…」


いつルシファーが動き出すかもわからない今、はっきり言って進路どころではないのも事実。

だが意外に人間界で騒ぎを起こせば噂に上がってくるのではないかとも思えた。


噂に敏感な真也なら何か知ってるかもな...


「なぁ、真也。お前“都市伝説”に詳しいか?」

「ぷっ!どうしたの突然。」

「…明日うちで“怪談”するらしいんだけど、ネタなくてさ」


適当な理由をつけて聞いてみたが、合コンの時と同じような内容ばかりであまり収穫はなかった。




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