とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
翌日、食料品の買い物に行こうとしていた忍に荷物持ちとして同行した。
「ついでだからデートでもしちゃう?」
俺がそう言うと忍は、「あんまり時間ないけど」と言いながらも腕を絡めた。
久しぶりに街中をブラブラしながら忍とのデートを楽しむ。
途中でアイスクリームが食べたいと言い出した忍はメニュー表とにらめっこを始めた。
「どれとどれで迷ってんの?」
「ストロベリーか、バニラか…迷うなぁ~」
真剣に悩む忍が可愛い。
その様子にクスッと笑うと、かけていたサングラスを頭に上げながら店員にストロベリーとバニラを注文した。
「両方頼めばいいだろ?」
「そんなに食べられないよ!」
「…俺の分は無しかよ…」
ほらっとストロベリーを渡して俺はバニラを食べた。
半分ストロベリーを食べたところで俺のバニラを睨む忍。
「…睨むな。やるから!」
アイスクリームを交換して俺はストロベリーを食べた。
ご機嫌な忍を見ていると少し離れたところに知ってる顔を発見する。
「あれって寛二だよな?」
「…ホントだ。一緒にいるのクミじゃない?」
声をかけようとして様子がおかしい事に気付いた。
「右京…あれヤバくない?」
「ん…絡まれてるな…」
俺はアイスクリームを食べながらゆっくり近づいた。