とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
俺はポンと2人組の片割れの肩に手を置いた。
「あんだテメー!」
ご立腹の男は振り向きざまに殴りかかって来た。
俺はヒョイとかがんで避けるとまたアイスクリームをペロリと舐めた。
「!?…おい、ヤバいって…」
もうひとりが何かを言っていたが頭に血が上っているのか、まったく聞こえてないみたいだった。
突っ込んで来る男を横にずれて交わしながら、
空いてる腕を首に巻き付けそのまま地面に叩きつけた。
だるそうに男を見下ろすと、俺はアイスクリームが垂れないようにまた舐めながら口を開いた。
「…なにやってんだ?
お前sevenのヤツだろ?」
「だからヤバいって言ったのに!
黒崎さんだよ!!」
「おう、ジンタ」
「…いや、ジンヤっす…」
俺はジンタを無視して寛二に目を向けた。
「どーした?絡まれたのか?」
「ソイツがぶつかったとか文句言って来てさぁ!」
「おい、ジンタ。
そんなくだらない事で絡んだのか?」
「すっ…すみませんでした!!」
はぁ…と溜め息をつく。
「寛二…許してやってくれ。
後でシバいとくから。」
「え!?いや、もういいって!
右京がシバいたら死んじゃうから!!」
慌てて顔の前でブンブンと手を振る寛二に「そうか…」と呟くとその場にいた一同が安堵の息を付いた。