とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
忍はクミに寄り添い「大丈夫だよ」と声をかけた。
「…右京くんって不思議…
誰とでも仲良くなっちゃうのね…」
「そうか?」
「確かに右京には人が寄って来るよ。
なんだろな~…
カリスマ性みたいなのがあるんだよ。」
「カリスマって…言い過ぎだろ~」
俺は寛二に笑いながら答えた。
「それ、自分もわかります!!」
「だろ~?」と、さっきまで険悪なムードだったのに、意気投合する寛二とジンタ。
「ジンタまで何言ってんだよ。」
「…だから、ジンヤっすよ…
もう何でもいいっす…」
「…俺名前覚えるの苦手なんだよ…」
俺は最後の一口を食べ終わると忍の手を握った。
「さて、買い物まだだろ?行こうぜ。」
「え?待って、まだ食べ終わってない…」
「食ってやるよ」
ニヤリと笑ってバニラを持っている忍を追い回した。
きゃあきゃあ言いながら逃げ回る忍を捕まえて羽交い締めにする。
「…めちゃくちゃ可愛いっす…
ヤバい、惚れそう…」
「あ!?忍はやらねーぞ!」
「わっ…わかってますよ!
じゃなくて黒崎さんっすよ!」
「…」
最近こんなんばっかだな…
何で男にばっか…
まぁ女に言い寄られても困るのだが…
はぁ…とまた大きな溜め息を吐いたのだった。