とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
俺の日常 “自宅”
夕飯前にシャワーを浴び、短パン一枚で台所に行き冷たい麦茶を一気に飲み干した。
いきなり背中をツゥー…と撫でられ手に持っていたグラスを落としそうになる。
「のわっ!?」
首だけ回して振り返ると目の前には綺麗な顔…
「なんだ忍かよ…
ビックリさせんなって…」
忍は師範の長男の娘で、両親が海外転勤になり数年前から同居中。
俺の2つ歳上で…
「右京…背中に痣がある。
こんな痣なかったのに…
おじいちゃんにやられたの?」
そう言って俺の背中に口づける。
「おい…ここで誘うなよ…」
そう、忍と俺は訳ありな仲。
忍が実際俺をどう思ってるかは分からないが、俺は彼女を大事に思ってる。
心配そうに俺の顔を見上げる忍の頬を撫でながら優しく微笑んだ。
「背中は今日やられてねーよ。
それより腹減った!
飯にしようぜ?」
「大丈夫ならいいんだけど…
そうだね、ご飯にしよう!
右京、手伝って!」
ホッとした表情になり夕飯の支度に取りかかった忍に自然と笑顔になる。
忍は俺の女神だ。