とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
俺は“sevenのトップ”の前に立つと翠色の狐目で男を見据えた。
俺の方が背が高かったので結果的に見下ろす形になった。
それが気に入らなかったようで男の目に怒りが混じった。
「チッ!!…ムカつく野郎だ!」
そう言うと俺に向かって殴りかかった来た。
俺はその拳を手のひらで掴むと「困ります」と話しかけた。
「他の客に迷惑になる事は止めて下さい。」
「…なんだと?」
「…俺が居るときに騒ぎを起こすのは…
…許さない。」
「てめー!!」
男は捕まれてない手で俺の胸倉を掴んで来た。
俺は思いっ切り睨み付けた。
「聞こえなかったか?
それ以上騒ぎを起こすな。」
「うるせー!!表でろ!」
「断る。」
キッパリ言い放った俺に周りの空気が凍りついたようだった。
オロオロするゴウとジンヤ…
男の取り巻きは「ふざけるな!!」と怒鳴ると俺に向かって来た。
「ったく…どいつもこいつも…」
俺は胸倉を掴む男の手をひねり上げると、逆に片手で胸倉を掴み上げ…
「俺の前で騒ぎを起こすなと…」
男の脚が床を離れ…
「言ってんだろうがぁ!!」
思いっ切り振りまし向かって来た取り巻きの男達に投げつけた。
一瞬で静かになる店内。
「…お前…化け物か!?」
投げ飛ばされた“sevenのトップ”は大の字のまま俺にそう言った。
「フン!俺はaxelの“用心棒”だ。
化け物呼ばわりされる覚えはない。」
ゆっくり男の首を掴むとズルズル引きずって店の入口の扉を開け、
「頭を冷やしてから店に入って来い。」
そいつを放り出した。
それを見た取り巻き達は「ひぃぃぃぃ!!」と怯えて店から出て行った。
俺はそれを見届けるとカウンターに戻った。