とある堕天使のモノガタリ ~INTROITUS~


俺は“sevenのトップ”の前に立つと翠色の狐目で男を見据えた。

俺の方が背が高かったので結果的に見下ろす形になった。

それが気に入らなかったようで男の目に怒りが混じった。


「チッ!!…ムカつく野郎だ!」


そう言うと俺に向かって殴りかかった来た。

俺はその拳を手のひらで掴むと「困ります」と話しかけた。


「他の客に迷惑になる事は止めて下さい。」

「…なんだと?」

「…俺が居るときに騒ぎを起こすのは…

…許さない。」

「てめー!!」


男は捕まれてない手で俺の胸倉を掴んで来た。

俺は思いっ切り睨み付けた。



「聞こえなかったか?

それ以上騒ぎを起こすな。」

「うるせー!!表でろ!」

「断る。」



キッパリ言い放った俺に周りの空気が凍りついたようだった。


オロオロするゴウとジンヤ…
男の取り巻きは「ふざけるな!!」と怒鳴ると俺に向かって来た。


「ったく…どいつもこいつも…」



俺は胸倉を掴む男の手をひねり上げると、逆に片手で胸倉を掴み上げ…


「俺の前で騒ぎを起こすなと…」


男の脚が床を離れ…


「言ってんだろうがぁ!!」


思いっ切り振りまし向かって来た取り巻きの男達に投げつけた。



一瞬で静かになる店内。


「…お前…化け物か!?」


投げ飛ばされた“sevenのトップ”は大の字のまま俺にそう言った。


「フン!俺はaxelの“用心棒”だ。

化け物呼ばわりされる覚えはない。」



ゆっくり男の首を掴むとズルズル引きずって店の入口の扉を開け、


「頭を冷やしてから店に入って来い。」


そいつを放り出した。


それを見た取り巻き達は「ひぃぃぃぃ!!」と怯えて店から出て行った。


俺はそれを見届けるとカウンターに戻った。



< 156 / 405 >

この作品をシェア

pagetop