とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
夕飯後、いつもなら部屋でノンビリと過ごす。
だがさっきの忍の顔がチラ付き、このままでは良からぬ事をしてしまいそうで落ち着かない。
「…散歩でもして頭冷やすか…」
こういう時はいつも決まってあの場所に行く。
“天狗の森”…
トボトボ歩きながら忍の言葉を思い出した。
「…背中に痣があるって?」
そういえば最近痛む事があるが…
師範には正面から木刀で突きを食らったが、背中は身に覚えがない。
そんな事を考えていると神社まで来ていた。
鳥居をくぐると立ち止まって空を仰いだ。