とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
とりあえず潤には戻るように言うと、優雅にお辞儀をして霧のように消えていった。
店内に戻るとカウンターに座る忍が見えた。
sevenのメンバーに囲まれており、一瞬焦ったが忍は楽しそうに話していて少し安心した。
俺が戻ると「ちーす!黒崎さん!」と挨拶をしているヤツらを不機嫌そうに見た。
「…お前ら、俺の忍にヘンな事してないだろうな?」
「しっ…してないっすよ!!」
「でも黒崎さんの彼女って知らなくて、ナンパしそうになっちゃいましたよ~」
俺が半眼で睨むとゴウが笑った。
「安心しろ!
俺がちゃんと見張ってたからよ!」
ゴウにそう言われてふぅ…と溜め息を付く。
その様子を見て忍は「心配性だな~」とちょっと呆れていた。
「そーいやーさっきのヤツは?」
「あ~潤か。アイツは帰したよ。」
「なんかaxelには珍しいタイプのヤツだったな。」
「ん…また来たらよろしく頼むわ…」
…多分ないと思うが…
「私、お礼言えなかったなぁ…」
「後で言えばいい。」
「…後で?」
「そのうちまた会えるだろって事!」
まだ潤の素性は黙っておこう。
忍の性格からしたら、「邪魔扱いしてるみたいで可哀想」とかいって普通に家に住まわせそうだ。
もうすぐ新学期も始まるのに、色々と課題が山積みだなぁ…