とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
チーム“seven”
久しぶりに学校まで走る。
「新学期早々に遅刻はマズいよな…」
天狗の森を横切り裏門を軽く飛び越え、教室までの廊下を猛ダッシュする。
教室の前で担任が扉に手をかけているのが見えた。
「…またか黒崎…」
「間に合ったからセーフだろ?」
ニカッと笑って言うと、担任は溜め息をつきながら教室に入った。
「遅刻ギリギリのウリ坊を見ると新学期始まったって実感するわ…」
クラスメートの一言に担任まで「同感」と頷いた。
その日は授業もなく、虎太郎は剣道部に顔を出すと言って教室から出て行った。
寛二はクミとデートらしい。
「あいつら付き合ってんだ…」
「らしいよ?」
「陸は?アイコと仲いいじゃん。」
「俺は束縛されたくないからな~
特定の女はいらねー」
そう言って陸は笑った。
「右京って忍ちゃん一筋だよな~
ウザくなったりしねーの?」
「しねーよ。
忍になら何言われても許す!」
「…仏のようだな…」
半ば俺の溺愛ぶりに呆れたように陸は言った。
丁度陸と一緒に校門にさしかかった時、後ろから「黒崎先輩!」と声をかけられた。