とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
基本的にチーム内の争い事には興味なかったが、ガクやジンヤ達が巻き添えになるんじゃないかが心配だった。
「その話、ガクにしたのか?」
「ゴウさんがガクに話したって言ってました。」
「ガクさんは好きな様にやらせとけって、あまり気にしてなさそうなんですけどね~」
「ふーん…
まぁ、何するにしても俺の前では争いごとは許さん。」
「…“守護神”の前ではさすがの昴さんも暴れないと思いますよ?」
「だといいけど…」
バイトが終わったらしい忍が来たのを見て俺はジンヤ達に「じゃあな」と言って席を立った。
家に帰って来ると忍は夕飯の支度を始めた。
「たまには手伝うよ」
「右京が!?珍しい…」
そんな事を言いながらも、少し嬉しそうな忍に目を細めた。
「バイト始めてから忍との時間減ったからさ~
もう少し一緒に居たいんだ…」
「…そっか…」
少し赤くなった顔の忍が可愛かった。
ちょっとからかってみたくなって、包丁を持って野菜を切っている忍の腰に手を回した。
ビクッ!と硬直する忍に「何すればいい?」と耳元で囁いて、首筋にキスをした。
「…俺の好きにしていい?」
ワザと意味深な言い方をしてみる。
真っ赤なって忍は怒り出した。
「もう!!手伝う気あるの!?」
「あるよ。」
「じゃあそーゆー事しない!」
「“そーゆー事”って?」
「えっ!?だっ…だから、く…首に…キスとか…」
「首にしなきゃいいの?」
「じゃなくて!え…ちな…キスとか…」
動揺して口ごもる忍。
…ヤバい…忍可愛すぎる…