とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
こんな姿を見たら、ついついイジメたくなってしまう。
「はっきり言えよ。
えっちなキスがしたいのか?」
「ええぇ!?言ってないし!」
悪乗り中の俺は忍を強引に片手で引き寄せてた。
「じゃあ何?」
「だっ…だから…」
忍は思い切り俺を押し返してるみたいだが、びくともしない。
だんだん近付く俺と忍の距離に忍はぐっと構えた。
俺は忍のおでこに軽くチュッとキスをして放した。
「んじゃ、味噌汁作るわ」
さっさと夕飯の支度を始めた俺を見て一瞬フリーズした忍に吹き出した。
「なになに?期待しちゃったの~?」
「ばっ…ばかぁ!!」
ぷりぷり怒る忍に笑いが止まらなくなって、俺は肩を揺らせながら味噌汁を作った。
「後で立ってらんないくらいスゴい“えっちなキス”してやるから…いって!!」
悪乗りの結果、忍に思い切りスネを蹴られてしまった。
なんだかんだ言いながらも楽しく夕飯を終え、俺はバイトの準備をした。