とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
部屋を出ると廊下で忍とばったり出くわした。
「バイト行くの?」
「ん。でも今日中には帰って来るよ。
明日も学校だからな~」
「そうだね。気を付けてね」
「…忍。」
部屋に入ろとしていた忍は振り向いた。
俺はそのまま忍をドアに押し付け唇を塞いだ。
「…時間があったら“えっちなキス”も出来たんだけど。
今はこれで我慢しろよ?」
「な…なに言ってんの!?
私したいなんて言ってないし…」
「俺はしたい。」
そう言ってニッコリ笑うと俺は「いってきます」と言って家を出た。
散々忍をからかって上機嫌でaxelに向かった。
いつもより早く着いたので店内の客もまだ少なかった。
そのためフロアも見渡しが良かった。
カウンターに向かいながら、DJを見ると知らないヤツだった。
「よぉ
DJ変わったのか?」
「黒崎か。
あぁ、前のヤツがちょっとな…」
「何かあったのか?」
含みのある言い方が気になってガクに聞いた。
「実は昨日事故にあったらしい。
…でも変なんだよ…」
「その事故がか?」
「あぁ。
あのDJやってたヤツ、前からチームを抜けるって言ってたんだ。
それを一昨日昴に言ったみてーなんだ。」
「…一昨日言って、翌日事故か…
昴の仕業だとガクは思ってるのか?」
俺の問いかけにガクは無言になった。