とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
抗争
数日は何も動きはなく、いつも通りの日々を送っていた。
一週間程たったある日、なんの前触れもなく“ソレ”はやって来た。
その日は金曜日で翌日が休みと言うこともあり、俺は師範と夜稽古を終えてからバイトに向かった。
店に着いた時間はいつもより少し遅めで、すでに店内は賑わい始めていた。
axelの常連とはすっかり顔馴染みになり、俺の銀髪を見るとあちこちから「黒崎さん」と声をかけられるようになっていた。
それはsevenのヤツらだけじゃなく、他のチームのヤツらも同じだった。
チーム同士の抗争の噂はガクや常連からも耳にするが、axelではそれはタブーだった。
抗争に怯え始めたヤツらにとってaxelは“聖地”とも言えた。
ガクは俺という“守護神”がいるお蔭だと笑っていた。
カウンター内に立ち、客と話しながらカクテルを作る。
時々店内を見回すが今日もいつもと変わりなく思えた。
数分後…
…それが入口から入って来た見知らぬヤツらによってぶち壊された。