とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
10人程のその集団の一人が目の前にいた客を張り倒し、一気に店内の空気が変わった。
「…黒崎。」
「分かってる。」
短い会話をガクと交わし、俺はカウンターを飛び越えた。
ジンヤに目配せして倒れた客を集団から引き離した。
「なんの用だ。
お前ら客じゃねーだろ。」
「“客”だ。…何か作れよ」
棘のある言い方が感に障る。
「うちの客に手出す奴は“客”とは認めない。」
「生意気だな…
お前が“守護神”か。」
…?
知ってて何故喧嘩を売ってくる…
「俺を知ってんなら、ここでのルールも知ってんだろ?」
「フン!知ったこっちゃねー」
「出て行け。二度と来るな。」
俺がそう言った時、後ろのヤツに何か耳打ちされ、男はニヤリと笑った。
「…また来る。」
男はそう吐き捨て出て行った。
何しに来た…?
偵察か?
その場に立ち尽くし扉を見据えて居ると、sevenのヤツが血相を変えて飛び込んで来た。
「たっ…大変です!ゴウさんが!」
「!?…ゴウがどうした!」
「駅前で喧嘩売られて…誰かに撃たれて…」
「撃たれた…だと!?」
俺はそのまま店を飛び出した。