とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
俺はそのまま風を巻き起こし上昇した。
屋上部分まで到達すると、そこに居た人影の前に舞い降りた。
「...珍しい...堕天使とは...」
『「ロレイ...」』
「ボクを知っているのかい?...うれしいねぇ~」
そういってロレイはひたひたとこちらに近づいてきた。
「誰かと思ったらウリエル様じゃないですか...
なんでこんな所に?」
悪びれた様子もなく不気味にニタ付きながら俺を見た。
「決まってるだろう?俺の役目はたった一つだ。」
「ふむ。...つまりボクをタルタロスに連れて行くと?
...まだ誰も殺してないよ?」
「時間の問題だろう。
人間達を使って何をしようとしているのだ。」
「フフ...それはボクもよくわかんないよ。
だって言われたままにやってるだけだし。」
「誰の命令だ?」
「...ボクがここに居るんだから、誰だか判ってんでしょ?
」
ロレイは腕を組んで仁王立ちしながら不敵に微笑むと、長い前髪をかきあげた。
...やっぱり“サルガタナス”か...
「axelって店にいる“守護神”の正体を突き止めるのがボクの役目。
...うれしいよ、こっちの思うように動いてくれて。」
シナリオ通りってことか。
まぁいい。乗ってやろうじゃないか。
俺は片手を振るとロレイを風の渦に閉じ込めた。