とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
『「消えた...」』
そう思った瞬間真後ろでキリキリを弦を引く音が聞こえた。
とっさに4枚の羽根で体をガードすると同時に風を纏った。
弾き返された矢がロレイの足元に突き刺さった。
驚いたロレイが一瞬よろめいたのを俺は見逃さなかった。
着地と同時に身を低くしてロレイに突っ込むと懐に入り込んだ。
「!?」
そこから回し蹴りがロレイの脇腹に入って横に吹っ飛んだ。
鉄筋の山にぶつかりガラガラと鉄パイプが崩れた。
ロレイはゆらりと立ち上がった。
「チッ...なんだウリエル様って強いんじゃん...
それは予想外だよ。」
そういうとロレイは急に不機嫌な顔になった。
「でも...ボクの役目は今回は完了したよ。
フフフ...“
守護神”の居ないaxelは...今どうなってるだろうね~」
『「クソ!狙いはそれか!」』
「フフフフ...
ちょっと早いけど僕は退散するよ。
じゃあね、ウリエル様。
急げば間に合うかもよ?」
そう言うとロレイは姿を消した。
俺は急いでビルから飛び降り、急降下した。
旋風を起こしながら着地するとジンヤが虎太郎と一緒にいた。