とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
昴はガクと俺を睨みながら口を開いた。
「アイツを使って俺を潰す気だろ?」
俺は思わず吹き出した。
「じょーだんじゃねーよ…
チーム内の抗争に荷担する気はない。」
「“守護神”が言ったんだ!
このままだと間違いなく俺はやられると!
…その前にやれと!」
その言葉に虎太郎の眉がピクリと動いた。
「…出た“守護神”…どいつだ?」
俺と虎太郎は昴側のメンバーに目を配る。
「“守護神”は俺に言ったんだ。
思う存分暴れろと…
その為にメンバーを増やして来た!」
「くだらねーぞ、昴!
力だけで人が付いて来ると思うな!」
ガクの怒声に昴は「うるせー!!」と勢いを増した。
それを合図に昴派の集団は一気にガク達に襲いかかった。
俺達はあくまでも傍観者。
「右京様。加戦しなくていいのですか?」
「やらせとけ。」
…くだらない。
「人間とは愚かだな…」
だが…“守護神”はどこだ?
入り乱れるチーマー達を見渡す。
それらしいヤツは見当たらない。
…が異変に気付いた。
「右京…邪気が…」
「…マズいな…」
邪気が充満している…
なるほど…
邪気を集めているのか…