とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
邪気の渦巻くスカイタワーの上に降りると、ハニエルは目を閉じた。
しばらくすると「居ます」と短く答えた。
『かなり下です...地下か・・・』
そう言うと碧眼を開いた。
『「よし、行こう。」』
『はい。気をつけてください。ロレイの気配も感じます。』
ハニエルはそう付け加えた。
俺達はタワーから飛び降りると旋回しながら急降下して行った。
3階付近で窓が開いているのを見つけ、そこから進入すると人気のないフロアを降りていった。
『地下にいくならエレベーターが速いですよね。』
そう言ってエレベーターの扉をこじ開けた。
上の階に止まっているらしく、階下に続く空間は丁度都合がよかった。
『「行けそうだな。」』
俺とハニエルは難なくその暗い空間を降りて行く。
地下2階部分でハニエルが止まった。
『この階です。』
金網のかかった横穴があった。
『「下がってろ。」』
俺が軽く指を鳴らすとネジが焼け落ちた。
金網がガンガンと音を立てて下に落ちていった。