とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
手元には大きめの鏡を持っており、その中に邪気が吸い込まれていた。
『「邪気をどうするつもりだ...」』
「ククク...世界を手に入れるのだよ。
そしてルシファー様は新世界の“神”になる...」
新世界の神だと!?
『「悪魔の分際で“神”とは...とんだ戯言だな」』
「お前も悪魔と似たようなものではないか。
堕天使のお前は天使よりも我々に近い存在...そう思わないか?」
『ふざけるな!!』
体の奥から沸き起こる怒りが自分を支配するのがわかった。
俺は炎でサルガタナスを囲った。
サルガタナスは余裕の表情で俺を見て笑いながら話し続ける。
「残念だな...お前なら魔界でもかなりの地位を手にする事が出来るというのに...」
ふとサルガタナスの姿が消えた...
...!?
一瞬の出来事だった。
真後ろに気配を感じたと思ったと同時に背中を切りつけられた。
漆黒の羽根が舞い上がる中、体を捻って体勢を立て直す。
『「...タルタロスへ行く覚悟はできているか?」』
俺はサルガタナスを睨みつけながらニヤリと笑った。