とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
激しい突風を纏いながら俺は力を解放していく。
...黒い羽根を舞い上げながら・・・
「...なっ!?・・・お前なにを...」
サルガタナスは俺の姿を見て驚きの表情になった。
そう...俺の羽根は骨ばった翼...まるで悪魔のような・・・
『「忘れたか?サルガタナス...俺はタルタロスの番人だ。」』
そう言うと右手を翳し魔法陣を出現させるとそこから真っ赤に燃え盛る1本の剣を取り出した。
『「これを使うのは久しぶりだ...」』
「まさか...“焔の剣”!?」
俺は剣を構えるとサルガタナスに振り下ろした。
剣と剣がぶつかる音が響いた。
『「...気をつけろ、サルガタナス。
この剣はかすっただけで致命傷だ」』
ひきつるサルガタナスをジリジリと押して行く。
懇親の力でなんとかサルガタナスは弾き返した。
すかさず反転して下から切り上げる。
なんとか受け流すサルガタナスに目を細める。
『「どうした、サルガタナス...旅団長がその程度か?」』
休む暇なく剣を振るう俺に怯えだす黒髪の悪魔を蹴り上げた。
その拍子に手に持っていた剣がサルガタナスの手を離れ、後ろに倒れた。