とある堕天使のモノガタリ ~INTROITUS~


俺はサルガタナスを踏みつけると喉元に焔の剣を突きつけた。

『「お前には永久に業火をくれてやる」』


が、次の瞬間何かが飛んできたのに気付き飛びのいた。

その隙を突きサルガタナスは消えた。


クソ...逃げられたか。


上を見上げるとハニエルの一撃を受けたロレイが俺の足元に落下してきた。

俺はロレイを見下ろし睨み付けた。


『「...ロレイ...お前は間違えなくタルタロスだ。」』

「ひぃ...!!止めてくれ...ボクはただ言われただけだ!!」


俺の“悪魔”のような姿に驚いたのか、命乞いをしてきたロレイを冷たい目で見る。


『「...今更だ。もう遅い。」』

そう言うと焔の剣をロレイに突き立てた。


業火に焼かれるロレイを眺めているとハニエルが舞い降りた。


『そのお姿は久しぶりに見ました。

赤い瞳も美しい...』


そうハニエルは俺に微笑んだ。


赤い瞳・・・そうだった、この姿だと片目が赤くなってしまう。

堕天使は悪魔にもなりうる存在。


『「常に闇と背中合わせだ...皮肉なもんだな。」』

闇に飲まれたら俺は終わりだ...


そう考えていると、ロレイの姿が灰になり風に消えていった...

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