とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
その日の夜はバイトに出かけた。
いつものようにカウンター内で淡々と仕事をする。
あの抗争の一件以来axelに来るsevenのヤツが増え、何故か俺のまわりに纏わり付いていた。
ガクは「axelがsevenの溜まり場になってきた。」と嘆いていた。
でもその様子はどこか嬉しそうにも見えた。
ガクはsevenの連中から“アニキ”と呼ばれていた。
「なんつーか、チームの頭って感じじゃないんすよね~」
そんな事を言ってるヤツがいて妙に納得した。
「確かにガクは“アニキ”っぽいよな!」
「やめろよ!
こんな腐った弟どもいらねぇって!」
「腐ったって...」
俺は笑いながらグラスを拭いていると、虎太郎が来たのが見えた。
「お。犬が来たぞ」
「犬?誰のこと?
…もしかして俺!?」
虎太郎は「ひでー」と言いながらカウンターに座った。
「ところで!!もうすぐだな...」
「なにが?」
「忍さんの誕生日だよ!」
「ああ、そうだな」
それを聞いていたジンヤが身を乗り出した。