とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
昼に学食で日替わりを食べながら、陸は「体育祭が終わったら文化祭だ!」と騒いでいた。
「その前に忍さんの誕生日がある。」
虎太郎が突然そんな事を言い出して、俺は思い切りむせた。
「大袈裟だろ…」
「いや!今年は一足違うぜ?」
「なになに!?
虎太郎面白い事思い付いたのか!?」
「諸君等の協力なくしては今回の作戦は成功しないのだよ!」
寛二の問い掛けに虎太郎が作戦本部長ばりの言い回しで応えた。
「…人の彼女の誕生日でよくそこまで張り切れるな…」
俺はある意味虎太郎に感心した。
「諸君等にはこれより極秘で任務に当たってもらう!」
「…ただのサプライズパーティーだろうが…」
「サプライズパーティー!?
いいね~!その作戦乗った!」
またもや俺を差し置いて盛り上がり出す3人。
「右京は忍さんへのプレゼントを用意しとけよ~」
「それが一番難問だ。」
「まだ決めてないの!?」
「ん。もう直接聞こうかと思ってる。」
週末にでもどっか連れ出して選んでもらった方がいいだろう。
「俺が選んでやろうか?」
ニヤリと笑う陸の申し出は全力で拒否した。
それでもまだ「遠慮すんな」と言って絡んでくる陸と騒いでいると、「右京さ~ん」と呼ぶ声が聞こえた。