とある堕天使のモノガタリ ~INTROITUS~


数日後の金曜の夜、俺がaxelでバイトをしていると虎太郎達が店にやって来た。


「…3人揃って来ると嫌な予感しかしねーな…」

「失礼だな~
でも俺らだけじゃねーよ…
まだ来るぜ?」


その直後「寛二~」とクミの声が聞こえた。
目を向けるとセリとアイコも居た。


「…嫌な予感的中じゃねーか…」

「作戦会議だよ!
右京、ゴウさん達どこ?」

「奥のテーブルだろ。
ほら、あそこに…」


そう言って奥のテーブルを指差した時、また手前で騒ぎが起こった。


「…あいつら…

お前ら奥のテーブル行ってて」


俺がカウンターを飛び越えると、セリ達が「右京君」と声をかけて来た。


「あぁ、あの奥のテーブルに居て。」

「え…なんか…怖そうな人達が居るんですけど…」


明らかにゴウ達を警戒するセリに吹き出した。


「おい、ゴウ!!」


ゴウがこっちに気付き俺の方に近づいて来ると、セリ達は俺の後ろに隠れた。


「なんだ、浮気相手か?」

「ちげーよ。忍の友達だ。
虎太郎達も居る。

作戦会議なんだろ?」

「あ~なるほど。」


そこまで話したところでガシャン!とグラスの割れる音がした。


「お嬢さん方はこっちに来な。

黒崎、あとはよろしくな」

「ん。コイツ、見かけは怖いけどいい奴だから。」

「余計なお世話だ!」


ゴウは俺を蹴りながら、セリ達を奥のテーブルに連れて行った。


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