とある堕天使のモノガタリ ~INTROITUS~


ニヤニヤしてるゴウに俺は眉をひそめた。


「…なんだよ…気味悪いな…」

「黒崎~お前プレゼント買ったか?」

「まだ。…ってなんでオメーに言わなきゃなんねーんだよ。」


ゴウは俺の肩に腕を回し、耳元で「指輪にしろ」と言った。


「…何企んでる…」


俺の言葉にそこにいた一同がニヤリとと笑った。


「ゴウさんが凄い事思い付いたの!」

「絶対驚くわよ~」


セリとクミが目をキラキラさせて俺に言った。


さっきあんなに怖がってた癖にもう意気投合かよ…


「本当はコッソリ用意して欲しいんだけどさ。」

「明日一緒に選びに行く約束してんだけど…」

「だろ?だからせめて指輪にして!」


虎太郎まで目を輝かせて俺に懇願して来た。


「…選ぶのは忍だし…」

「それは任せて!私達が忍に勧めるから!」


アイコまで身を乗り出してさすがに俺は怯んだ。


「…わかったよ…」


俺が首をすくめて降参すると、一斉に歓喜の声を上げた。


自分の為ではなく、誰かの為に一生懸命なコイツらは笑えるくらい最高だと思った。


そういうのは、嫌いじゃない…



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