とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
映画館を出た時、時間は13時半を回ったところだった。
「腹減らないか?」
「そうね...少し減ったかも。」
「食いに行こう。何がいい?」
「ん~...パスタ!」
「了解。近くに旨いとこあるぜ」
歩き出した俺を忍はまじまじと見つめた。
「...なんだよ...」
「...よく行くの?」
「いや、たまにな」
「詳しいじゃない。」
「...もしかして...変な想像してる?」
ちょっとすねた様な表情の忍を見てクスリと笑った。
「“どこの女と来たのよ!”って顔してる。」
「べ..別にそんな顔してない!」
「どこの女だったっけかな~...」
「え!?やっぱり...」
「ククク...嘘だよ。俺が忍以外の女とデートするように見える?」
「それは...あってもおかしくないかなって...」
「ないない。
つか自分の友達がどこでバイトしてるか知らないわけ?」
俺の言葉に忍は首をかしげた。