とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
「節度を持てだって...」
「フフフ...ほんとよ!右京は所かまわずだもん。」
忍は笑いながらペンネをフォークで指して俺の口元に持ってきた。
それをパクッっと食べて俺も笑った。
「俺に節度とか...ククク...」
「フフフ...無理な話よね」
カルボナーラをスプーンとフォークでキレイに巻いて忍の口元に持っていくと、忍がパクッと食べた。
「かわいい、忍。」
「ほら、“節度”!!」
「だから無理だって。」
そう言うと忍は堪え切れずにまた笑い出した。
「ホント仲いいよな、お前らって...」
寛二がそう言ってコーヒーを2つテーブルに置いた。
「これ俺からの奢り。...ケンカにならないのか?」
「サンキュ!...このくらいじゃケンカになんてならねーよ」
「言われてみると右京とケンカらしいケンカした事ないわ...」
寛二は忍の言葉に驚いて目を丸くした。
「3年経つのに!?すげぇな...」
「右京は私が怒ってもうまいことかわすのよね~」
「忍が可愛くて怒る気がしない。」
寛二は飽きれた様に「ごちそうさま」と言ってニッコリ笑った。