とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
今日は忍達が居るから出来ればそのまま帰ってくれればと思ったが、どうやら話が通じないらしい。
一斉に飛びかかってくるヤツらに鉄パイプを突き出すと鳩尾へ一発で1人…肘鉄で1人…ラリアットで2人伏せた。
「やめとけ。大人しく帰れって。」
そう言ってみたが、通じないらしかった。
ナイフを取り出したのを見ると、俺は溜め息を吐くと鉄パイプをジンヤに渡した。
「持ってろ。それ使ったら危ない。」
俺は軽く構えてナイフを突き出した男の腕を身を捻ってかわすと、そのまま背中に回って脇腹を蹴り飛ばした。
倒れた男の手を踏みつけるとナイフを奪った。
「これも危ないから禁止。」
「なっ…なんなんだお前!」
「axelの用心棒だよ…」
「まさか…“守護神”!?」
「あ~…そんな風に言うヤツもいるかも…
もういいか?」
男達が戦意を喪失したのを見てから俺は背を向けて店に向かった。
心配そうに見ていた忍にニッコリ笑うと腰を抱いて戻った。
「大丈夫?」
「ん。なんともないよ。」
「…じゃなくて、さっきの人達…」
「普通さ~彼氏の心配しねーか?」
「右京はヘーキでしょ?」
ケロッとしてそう言う忍の脇をつつくと身をよじって逃げ出した。
俺はそれを追いかけて忍の腕を掴むと引き寄せて胸に閉じ込めた。
ケラケラ笑う忍を後ろから抱きしめたままカウンターに戻ると、ガクとゴウが半眼で俺を見ていた。