とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
忍は何を考えてる…?
ただ単に一緒に寝たいだけ?
留学の話をしたから寂しくなったんだろうか…
だとしてもやっぱり…
…そういう事だよな…
「ヤバい…緊張して来た…」
俺はポットに水を入れてお湯を沸かして熱いコーヒーを入れた。
その場の空気でなだれ込むならここまで緊張しないのにな…
熱いコーヒーを喉に流し込み呪文のように「落ち着け」と繰り返した。
次第に平常心を取り戻してホッと息を吐いた。
俺は忍のカップを出して砂糖とミルクたっぷりのコーヒーを入れていると忍が台所に入って来た。
「お風呂いいよ~」
「ん。コーヒー飲むだろ?入れといた。」
忍にカップを渡すと俺も風呂に入った。
風呂から上がると忍は下の部屋には居なかった。
自分の部屋に戻ると俺のベットの上で携帯をいじっていた忍が振り向いた。
「今みんなにメール打ってたの。」
「律儀だな…」
「だって私が主役なのに先に帰って来ちゃったし…」
「あいつらはあいつらで楽しんでたからいいんじゃね?」
「うん…でもやっぱりメールくらいはしとかないと。」
ポチポチとメールを打つ忍の横に寝そべって携帯を覗いてみた。