とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
画面には“送信完了”と表示されたのを見ると俺は忍から携帯を取り上げた。
「もう終わったろ?」
「まだ“おめでとうメール”に返信してない!」
「明日すればいい。」
俺から携帯を奪い返そうと忍が手を伸ばして来たから更に携帯を遠くにずらした。
忍は俺の胸の辺りに乗っかってしつこく携帯に腕を伸ばして来た。
俺はポイッと忍の携帯を床に置いてあったクッションに投げた。
「もう!あんな遠くに投げなくたっていいじゃない!」
「携帯に忍を占領されたら俺寂しいんだけど…」
真下から見つめて言うと忍は困った様に笑った。
俺は忍の髪を耳にかけながら微笑んだ。
「…忍…抱いていい?」
「…改まって言われると緊張する…」
そんな事を言う忍の後頭部に手を回して引き寄せてキスをする。
「…俺も…」
俺の言葉に忍は微笑みながら唇を重ねた。
「…右京…抱いて…」
小さな声で忍にそう言われて心拍数が跳ね上がった。
次第に深く…そして長いキスの合間に漏れる甘い吐息におかしくなりそうだった。
気付くと俺は忍を押し倒してパジャマを脱がせていた。
キスをしながら器用にボタンをひとつひとつ外していく…
体が火照って暑くなった俺は着ていたTシャツを脱ぎ捨てた。