とある堕天使のモノガタリ ~INTROITUS~



ぎゃあぎゃあ言いながら教室に入っても虎太郎の説教は止まらない。




「そもそも右京は女ってもんをわかってねーんだよ!」




…クラスメートの視線が痛い。




「…痴話喧嘩か?…」




「違うわ!!」




頭を抱えているとポケットの携帯が鳴る。




『右京?わたし!』




「忍!?珍しいな、電話なんて」




『今日おじいちゃん出掛けて居ないから稽古なしだって!』




「マジ?んじゃ夕飯外で食べるか?」




『そだね~たまにはいいかも♪』




「だろ?楽しみにしてるよ」




そう言って電話を切ると虎太郎がこっちを睨んでる事に気付いた。




「…なんだよ…」




「…どこの女?夕飯一緒に食うの?」




「お前なぁ…聞いてんなよ」




「俺も行く」




この調子じゃ何言っても無駄に思えてきた。


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