とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
高田は陸と少し会話すると「また明日な~」と帰って行った。
「そういえばこの前の誕生日、どーだった?」
「あぁ、忍も喜んでたよ。」
「違う!俺が聞きたいのはそんな事じゃねーよ」
「なんだよ…」
「やっぱ“熱い一夜”に…」
「…あのなぁ…」
否定はしないが詮索されるのは嫌だった。
俺は溜め息をついて「秘密」と言った。
「右京は秘密が多いな…」
「まーな。」
陸は色んな情報を知ってる分、コイツに知られたらあっという間に噂として広まるだろう…
いいやつだが、寛二の方がまだ信用度が高かった。
「お前もそろそろ帰れば?」
「今来たばっかじゃんか~」
「どうせナンパに失敗してaxelに来たんだろ?」
俺の指摘に陸はギクッと体を強ばらせた。
「…女遊びもいい加減にしとけよ?」
「マジになれる相手がいねーんだよ。」
「まぁ陸の問題だから俺には何も出来ないけどな。」
「つめてーな…」
俺は口角をあげて「俺関係ねーもん」とおどけた。
結局陸は俺が帰る時間まで居座って、ダラダラと自分の恋愛観について語った。
正直ちょっと萎えた…
最終的に「わかったからもう帰れ」と言うとしょげていた。