とある堕天使のモノガタリ ~INTROITUS~


俺が女子生徒と1Aの教室に入ると一斉に視線を浴びた。


「…男子いるじゃねーか…」

「タイミングが悪かったんですね…」


俺はマットを下ろすと男子に「おい!」声をかけた。


「はっ…はい!」

「女に力仕事させんな!

てめーら男だろ?恥を知れ!」


それだけ言うと「じゃあな」と言って廊下に出たところで突進してくる虎太郎が見えた。


「右京~~!」


腕を伸ばして俺の首にラリアットをかますつもりだったようだが…

俺は虎太郎の腕を掴んで足を払うと廊下に叩きつけた。


「いちいちうるせーよ!」


唖然とその様子を見つめる一年…

虎太郎は跳ね起きると俺の首に片腕を回し、口を尖らせた。


「橋本と体育館ってナニ?

俺にも声かけろよ~」

「橋本は腹黒いぞ…

気をつけた方がいい…」

「女子生徒について行ったって聞いたから心配した。」

「…なんのだよ…」


俺は歩きながら虎太郎を横目で睨んだ。


「さっきの一年の目見たか!?
ハートになってたじゃん…」

「しるかよ!
そもそも数学教師が悪い。」


俺が体育館での出来事を話すと虎太郎は吹き出した。


「なにその面白い展開!」

「だろ?橋本が七不思議を疑ってたのにも笑えた。」

「七不思議か…俺全部は知らないんだけど気になるのがあるんだよ。」


虎太郎はちょっと真面目な顔をして話し出した。


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